一戸建て住宅の庭に余裕がある場合、リビングやダイニングの直ぐ外に、外で楽しむことができるスペースを設けることができます。
このスペースを有効に活用する方法として、テラス、バルコニー、ベランダという3つの言葉がよく使われますが、それぞれの違いをご存知ですか?
今回は、新築や増築で1階に屋外スペースを設置を検討している方に対して、テラス、バルコニー、ベランダの違いや、1階に屋外スペースを設置した場合の具体的なメリットや注意点について詳しく説明していきます。
1階外側に設けられたスペースはテラス
一軒家の場合、内部の部屋以外にも居住スペースを作ることができます。
特に1階の部分にある、室内から外に向かって広がるスペースは、一般的に「テラス」と呼ばれます。
テラスは、外部に設けられる庭やデッキなどのスペースを指します。
バルコニー
バルコニーは、一般的には建物の2階以上にあって、屋根のない部分のことを指します。
屋根がないため、日光が遮られず、室内に光を取り入れやすいのが特徴です。
さらに、バルコニーにはインナーバルコニーやルーフバルコニーなどの異なる種類があります。
それぞれ特徴が異なるので、使い方やメリットも異なります。
インナーバルコニーは、建物の内部に設置されており、外からの目線を遮るセキュリティの役割も果たします。
一方、ルーフバルコニーは、屋根のない場所に設けられており、開放感のある空間を楽しむことができます。
バルコニーは、住宅やマンションなどの建物に一般的に設置されているため、居住空間の一部としての快適さや使い勝手を考える際に重要な要素となります。
インナーバルコニー
インナーバルコニーとは、建物の外壁よりも内側に位置し、屋根があるバルコニーのことを指します。
通常、バルコニーは屋根がないものとされますが、インナーバルコニーは屋根がついているため、屋外スペースにおいても快適に過ごすことができます。
住宅の外観としては、インナーバルコニーは建物の内部にある一部屋をバルコニーとして利用しているため、外壁からの張り出し部分がないという特徴があります。
そのため、バルコニーを作るために特別な構造を用意する必要がなく、既存の部屋を屋根付きの屋外スペースとして利用することができます。
インナーバルコニーは、家の設計段階で予め計画を立て、建物に組み込んで作られます。
設計時に位置やサイズを考慮し、居住者が快適に利用できるように設置されます。
家の外観にアクセントを加えるだけでなく、屋内と屋外の間につくられるスペースとして、自然光や風を取り入れることができるため、快適な居住空間を実現する上で重要な役割を果たします。
また、適切な屋根や防水対策が行われているため、雨風などの外部の環境から室内を保護することもできます。
ルーフバルコニー
ルーフバルコニーは、住宅の屋根が平らである場合に出現する特別な構造の一部で、建物の外部に広がっています。
このバルコニーは、屋根が存在せず、周囲が柵やフェンスで囲まれており、屋上のような開放感と広さがあります。
ルーフバルコニーは主に2階建ての住宅で見られ、1階の面積が2階の面積よりも広い場合に作られることが多いです。
これにより、1階の突き出た部分を上手に活用することができるのです。
ベランダ
ベランダとは、建物の2階以上にある屋根で覆われた突き出し部分のことを指します。
インナーバルコニーという言葉も聞いたことがあるかもしれませんが、ベランダとの違いは、ベランダの下には他の建物が存在せず、わざわざ突き出し部分を追加して設置しているという点です。
ベランダは屋外空間として利用されることが一般的で、植物や家具を置いたり、洗濯物を干したりするのに適しています。
また、ベランダは居住スペースの一部として考えられることもあり、ガラスで囲まれたり、室内から出入りできるようになっている場合もあります。
テラス
テラスは、家の1階のリビングなどの外側に設けられた床スペースのことです。
一般的に、地面から少し高い位置に床を作り、リビングやダイニングの掃き出し窓から簡単に外に出られるようになっています。
テラスの床は、コンクリートやタイルなど、さまざまな素材で作られており、人気のあるウッドデッキなどもあります。
バルコニーと同様の形状を持つ1階のスペースで、必要な場合は屋根を設置することもあります。
1階にテラスを設置するメリット
もし庭にテラスを設置できるスペースがあるのであれば、入居後に設置することも可能です。
ここでは、一戸建ての1階にテラスを設置する際に得られる主なメリットを紹介します。
外観のおしゃれさがアップする
テラスの材料はさまざまであり、デザインも好みに応じて様々なアイデアが実現できます。
例えば、シンプルで機能的なコンクリート敷きのテラスを作ることもできますし、ウッドデッキにマリンランプを設置して、デコラティブなインテリアを楽しむこともできます。
テラスは機能的な面だけでなく、家全体の印象をおしゃれな雰囲気にするための要素でもあります。
屋外のくつろぎスペースとして活用できる
テラスは、リビングの延長として使用できるという点が魅力です。
テーブルや椅子、ハンモックなどを配置することで、屋外でくつろぐスペースに簡単に変身します。
さらに、外にテラスがあると、広々としたガーデニングスペースのほかにも、日帰りキャンプ場などに遠出しなくてもバーベキューやイベントを気軽に楽しむことができます。
テラスは、家族のくつろぎスペースとしてだけでなく、友人を招いて大勢で楽しむ場所としても活用できるのです。
洗濯物が干しやすくなる
特に、家族の人数が多い家庭では、毎日出る大量の洗濯物を干す場所として、洗濯物干しテラスは非常に便利です。
庭でも同様のことができますが、洗濯物干しテラスでは足が汚れず、手軽に外へ出られるという特徴があります。
例えば、洗濯機が1階にある場合、テラスに洗濯物を干すスペースを作れば、重たい水を含んだ洗濯物を2階へ運ぶ手間を省くことができます。
短い家事の動線に加えて、体にかかる負担も軽減されるという利点もあります。
1階にテラスを設置するデメリット
一軒家の建物の最下層にバルコニーやテラスを設けると、これまでに挙げたような利点が多いです。
しかし、同時に以下のような注意点も存在するため、テラスを設置する前にこれらをよく理解しておく必要があります。
増設する場合は、建ぺい率に注意する
もしも一戸建て住宅の1階にテラスを増設する場合、特定の条件によっては、そのテラスの面積が建築面積に含まれてしまうことがあります。
建築面積は、敷地の一部に建物が占める面積の割合を表す指標であり、上限が設定されています。
テラスの面積が建築面積に含まれると、建築面積が大きくなり、それに応じて建ぺい率にも影響を及ぼす可能性があるため、この点には留意してください。
建築面積や建ぺい率の制限については、建築基準法によって定められており、それぞれの自治体によって細かな規定が設けられています。
テラスの増設を検討される場合は、まずは地方自治体や建築士などの専門家に相談して、詳細な制約事項や手続きに関する情報を入手することをおすすめします。
地震や雨風の対策費用がかかる
テラスは庭の地面に設置されるため、もし大きな地震が発生した場合、床のコンクリートやタイルなどにひびが入る可能性があります。
また、ウッドデッキや後付けのテラス屋根を設置している場合は、テラスが損傷する可能性もあるため、耐震対策をしっかりと行って設置することが重要です。
さらに、テラスは雨風や紫外線の影響を受けるため、劣化のリスクにも注意が必要です。
特に木製のテラスは雨風や紫外線による劣化が起きやすいため、耐久性の高い木材を選ぶか、後付けのテラス屋根を設置するなどの対策が必要です。
テラスを設置すると、これらの対策に費用がかかることをお忘れなく。
定期的な掃除が必要
テラスは、屋内の屋根のないスペースであり、そのため雨や風によって砂や落ち葉などがたまりやすい状態になることがあります。
特に梅雨や秋から冬にかけてのシーズンは、すぐに気がつかないうちに汚れがたまってしまうことが多いです。
そのため、快適なテラス生活を送るためには、少なくとも月に1回は掃き掃除を行うことが重要です。
掃き掃除は、砂や落ち葉を取り除くための有効な方法です。
まずは、テラスの表面にたまった落ち葉やゴミをベランダ用のブラシやほうきで一掃します。
次に、床や手すりの隙間にたまった砂などを取り除くために、ブラシやベランダ用の掃除機を使うことをおすすめします。
また、テラスの家具や観葉植物なども汚れや埃がたまりやすいので、同時に掃除を行うことが望ましいです。
家具の表面を拭いたり、植物の葉っぱをふき取ったりすることで、清潔な状態を保つことができます。
さらに、テラスの床や手すりには、汚れやカビが付着することもあります。
その場合は、中性洗剤を使用して床や手すりを洗い流し、ブラシでこすったり、クロスで拭いたりすることで、汚れを取り除くことができます。
以上のような掃き掃除の方法を定期的に行うことで、テラスを清潔に保つことができます。
快適なテラス生活を送るためには、雨風によってたまった砂や落ち葉を定期的に取り除き、清掃を行う習慣を身につけましょう。
まとめ
一戸建て住宅の1階の外側に設けるスペースは、「バルコニー」とは異なり、「テラス」と呼ばれます。
もしタイルや木製のデッキを設置したい場合は、その利点だけでなく、欠点も知ってから、検討を進めることが重要です。
また、テラスに屋根や壁を付けるかどうかによって、建築規制の建ぺい率にも影響があるため、慎重に考慮した上で設置することが望ましいです。